教育天声人語
「つながる」ことの面白さ


  いろんな書籍・雑誌・冊子が送られてくる。定期的に届くものの1つに玉川学園の『全
 人』がある。パラパラめくっていたら、よく知っている高津健一先生が出ていてビック
 リ! 小学部から玉川育ちで、ご両親から「うちはあなたに残すようなお金や土地はな
 いから、玉川での教育を、財産として遺します」と言われたのだという。学校としても
 最高の賛辞ではないだろうか。他のページを繰っていると、玉川大学の出身で工学院大
 学附属中高で図書司書をしていた先生が、この4月から勤務している「軽井沢風越学園」
 について綴っていた。知らない学校だった。ネットで検索すると、実にユニークで魅力
 的。その日の日本経済新聞の夕刊を開いてまたビックリ! この学園を立ち上げた本城
 慎之介理事長が取り上げられていたのである。5月7日の1日で、これほどつながった。
  別の日、数年前講演に呼ばれた名古屋の大手塾・名進研から、名古屋のプロテスタン
 ト校・名古屋中高の森田祐二校長がこの4月から関東学院の校長に就任したとの連絡が
 あった。早速お会いした。首都圏の状況についていろいろ情報交換する中で、グローバ
 ル教育に力を入れている関東学院六浦が国際寮を開設するということが出た。その数日
 後、武蔵小杉であった合同相談会で、10年近く前に台湾の大学を訪問したときに一緒
 だった六浦の野本幸靖先生と本当に久しぶりに出会った。寮のことを尋ねると、数日後
 黒畑勝男校長から詳しい開設の狙いが送られてきた。これまたどんどんつながったので
 ある。
  小さな顔写真、偶々軽く口にされた話題・・・‥そうしたものが発展していく。私のよう
 な仕事をしていると、それがとても楽しく、面白い。

「ビジョナリー」2021年6月号掲載     |もくじ前に戻る

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