教育天声人語
学校の“ 小さな” 魅力


   5月、6月で22件の校長対談の仕事(テ―マによっては担当の先生のことも)が入り(まだ4校
 残っている)、このほかパネルディスカッション、講演、研修等もあったので、この2ヵ月だけで
 もいろんな学校をお訪ねしている。
  私の場合は仕事の話以上に雑談のほうが長くなる。「学力向上に向けての施策」「国際教育」「進
 学指導」「人間教育」…といったいわば表舞台のことでない話のほうが発見があり、面白いから
 である。あまり知られていないことをいくつかご紹介しよう。
 ●学習院女子 高校生になると全員が100メートル個人メドレーを泳げる。つまり背泳、バタ
  フライもこなすということ。
 ●晃華学園 1日の時間割は午前3コマ、午後3コマ。早弁する生徒が多く、昼休みを早くした
  そうである。
 ●女子聖学院 女子校の体育祭というと学年対抗と思い込んでいたが、女子聖では高校は学年
  対抗で、中学は1クラスの中に高1、高2、高3に所属するメンバーがいる。高校生に指導者
  としての経験をさせる。
 ●巣鴨 都内男子校で唯一イートンサマースクールに参加しているが、このほかにも名門パブ
  リックスクールの運動部が次々と来訪。ハロー校の柔道部、セントポール校の合気道部。
 ●東京家政学院 千代田区三番町には古くからの店があり、生徒にここを第2の故郷にしてあ
  げたいと、各商店のポスター作りプロジェクトを実施。生徒が考えたコピーが秀逸。
 ●普連土学園 中1の3泊4日の霧ケ峰キャンプ。最終日の21時から翌朝7時までは「沈黙の礼
  拝」。口をきいてはいけない。どうしても必要というときは、先生と筆談。中1生にはこれが
  地獄だそうである。

「ビジョナリー」2019年7月号掲載     |もくじ前に戻る次に進む

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