教育春秋
美容室=共学校?
 30年も通い続けていた理容室が閉店してしまった。そこだけにしか行ったことがなかったので、どこに行ったらいいのか店を探せない。ネットで探してみたが、なじみの店でやってもらっていたヘアエステ、フェイスエステなどがあるのかわからない。「薄毛専門」という店が見つかって「これだ!」と思ったが、休日に自宅からぶらっと行ける距離ではないのであきらめた。

 仕方なく最寄駅の周辺を理容室を探してほっつき歩く。美容室はやたらたくさんある。通っていた理容室にはなかったので知らなかったのだが、「60歳以上割引」という理容室が複数あった。「カット1500円」という店もあったが、腕が心配なので敬遠。

 結局ごく普通の店に入った。担当は若い男だった。椅子に腰かけ、これまではどこに通っていたのかの話になる。「いまは男でも美容室を利用するんですよ。さすがに年配者は理容室に来てくれますが……。だから理容室は経営が厳しいところが多いんです」「美容の世界だと、タレントのヘアをいじって『カリスマ美容師』とか派手じゃないですか……。だから専門学校も美容は倍率が出ますが、理容は志望者が少なくほぼ全入ですね。」

 どんどん話が仕事の話のようになってくる。頭の中には「美容室=共学校」なんてことが浮かんできてしまった。

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「安田研通信」2010年11月上旬号

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