星美学園中学校・高等学校 東京都 女子校

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 最初に、学校長の挨拶がありました。

  • 9年間校長を務めた前任者が体調をくずされ退任した関係で、今年度から私が校長の任に就きました。カトリックの使命を果たすべく力を尽くしていきたい。建学の精神はどの学校にもある。子ども達への深い愛情と教育への情熱を尽くした本校創設者の精神を受け継いでいきたい。
  • キリスト教の人間観と価値観では、一人ひとり、神様から愛されている。一人ひとりが、かけがえのない存在である。このことを子ども達に伝えることが使命と思っている。愛されているという具体的方法は創設者が残してくれた。「愛するだけでは足りない。愛されていると実感できるまで愛してください」
  • 生徒たちには、多くの人たちに思いやりの心を持った、愛することを大切にする大人になってほしい。優しいけどたくましい女性、リーダーシップがとれる女性になってほしい。そうしたことは、宗教の時間や日々の授業時間を通して学んでいく。
  • 人としての心、思いやりの心がなければ、立派な教育を積んでもゼロに等しい。0×5=0、0×10=0 どんなに学問を積んでも「× 0」では0になってしまう。本校では、基本となる心を育てたい。ここをしっかり育てられれば、社会に出たとき、他者のために貢献できる人になれる。
  • 生活指導では、品格のある一人の女性として、他者を思いやることができることを心に留めて指導している。たとえば、生徒が間違ったことをしたときには、「品格のある女性としては、何をしたらいいのでしょうね」と問いかけることをしている。

 上智大学に進学した卒業生の話があり、続いて、進路指導および卒業生の進路状況の説明が、高2担任の先生からありました。

  • 星美学園の教育は3月の「学習ガイダンス」から始まる。中1の学習指導目標は「学習の習慣化」で、授業を大切にして、家庭学習の徹底を図る。また、「基礎力確認テスト」や「少人数クラス編成の授業」を行っている。高校の担任から見ると、中学の先生は生徒をしつこく追いかけて指導しているように見受けられる。
  • 高校になると、類型別クラス編成をとる。 I 類:有名私大進学対応クラスと II 類:国公立・難関私大進学対応クラスの2つ。中3の成績と本人の希望で分かれる。高3では、実力テストが年間7回。面接指導は、校長・教頭・担当教員総出で実施している。小論文対策や、進路ガイダンスもある。
  • 授業外の取り組みとして、放課後や夏休みに自習室の開放がある。希望者にはビデオ教材を使っての学習も。また、週に1度、新聞記事を使った要約練習も行う。ロング・ホームルームでは、救急救命や、マナー、防災のチラシづくり、変わったことでは餅つきにもチャレンジする。
  • 09年度進路結果は、四年制大学に79.3%( I 類71.9%、II 類:93.3%)が進学した。四年制大学進学率は1998年度の45.4%から10年間ほぼ右肩上がりに上昇してきて、今や80%近い。
  • 本校は医薬看護系の進学が増えている。心の教育の指導の結果、「人の役に立ちたい」と考える生徒が増えていることの現れか。国公立大合格者3名のうち1名は東京医科歯科大医学部、私大合格実績でも慶應大看護医療学部や、日本大医学部医学科、杏林大医学部医学科など、医薬看護系に十数校合格している(卒業生87名)。

私の感想

 説明会の中で、「こぢんまりした学校」といった表現がありました。確かに1学年3クラスで、短大棟や中学・高校棟、小学校棟が1つのキャンパスにまとまっているので、そう感じられます。キャンパスは赤羽駅から徒歩10分の高台にあり、校舎より高い建物は視界に入りません。意外に空が大きく見えました。
 生徒たちは外部との接触にはあまり積極的ではないとの表現もありました。が、玄関脇に優勝盾がたくさん並んでいるのが目に留まり、尋ねると、卓球部の活躍の成果だとか。校外活動もけっこう頑張っている感じです。
 医薬看護系への進学率の高さ、人の役に立ちたいと考える生徒たちに、星美の特色を感じましたね。

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