淑徳中学校・高等学校 東京都 共学校

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 はじめに学校長の挨拶がありました。

  • まず1点目、進学実績についてお伝えしたい。スーパー特進(東大)コースから今年も東大合格者を出すことができなかった。2年連続で期待に応えられなかった。捲土重来を期す。
     スーパー特進コースをつくったとき、いきなり東大はムリではないかとの声があった。私は学校が変われるのではないかと思ってつくった。そして、本当に学校が変わってきた。進学実績が向上し、失敗ではなかったと思う。大きな教育効果をもてたと思う。
  • ある人から言われたことがある。「進学校は環境が大事なんですよ」。そのときはピンとこなかった。今考えると、補習とか、予備校のスキルで教え込むとか、そういうことではない。学校全体が一つの方向に向かい、生徒がやる気になることが、環境を整えることにつながるのだと思う。
  • 生徒のやる気・モチベーションアップには、1つはスピーディにフレキシブルに対応することである。すぐに手を打つことが大事。本校の生徒は第1志望で入ってきたのではない。第3、第4志望ぐらいで入ってきている。第1志望校に入れなかった生徒にやる気になってもらうには、教員の指導力が全てをにぎっている。
  • 環境整備ができてくると、不思議なもので、優秀な教員を迎えることができる。宇宙航空研究開発機構の准教授とご縁ができた。司法試験に合格した教員もいる。その教員は、本校から東大に合格者が出るまで司法修習には行かないと言っている。また、従来の教員も、研修があればどこへでも飛んで行く。新任の教員には、同じ学年の中でマンツーマンで相互アドバイスを取り入れている。教員は互いに刺激しあって、生徒にいい影響を与えている。やる気に満ちた先生が、淑徳のレベルを引き上げている。
  • 教員は企業研修にも行く。若い教員は、人のハートをなかなか理解できていない。そこで、2年に1回、本当に親身になってくれる企業、人を大事にしている企業に行き学んでくる。1回目はアサヒビールだった。スーパ−ドライが出来た頃で、研修終了後、一杯いかが? と案内された部屋には、グラスの汚れを徹底的に拭き取る一人の男性がいた。そこでいただいたスーパードライは、市販の味のようではなく、格別に美味しかった。「汚れを徹底して拭き取るのがアサヒの心なんです」
  • ハートが受験とどう結びつくのか? ここに、淑徳らしさがあると思う。淑徳はチーム戦である。他者を支えていく子ども、他者のことも考えていける子どもであってほしいと思う。教員は生徒を奮い立たせ、生徒が本来もっている良さを生徒と共有していく。
  • 2点目。受験実態とコースの実態に差が出てきてしまった。バランスがくずれてきてしまった。そこで来年度は、中・高とも進学コースを廃止する(中学は、スーパー特進コースと特進コースの2つになる)。
  • 3点目。新校舎についてお伝えしたい。旧小学校の取り壊しが終わった。7月15日に地鎮式を行い、ただちに新校舎建設に入る。1期工事完成は平成22年8月の予定。9月から5学年が新校舎で勉強開始となる。2期工事は平成23年12月完成の予定。ここで、全学年が新校舎で学べることになる。

 次に教頭から、「入試結果および教育内容について」の説明がありました。

  • 面倒見のよい学力アップのしくみをとっている。授業のあとには「確認テスト」を実施している。成績のよくない生徒には補習ゼミを行う。定期試験の前に、試験対策用の「集中ゼミ」がある。ほかに、英会話や小論文などの「特別ゼミ」もある。長期休暇には「講習」を開く。指導方針は、スピーディに、フレキシブルに、きめ細かにである。
  • スーパー特進コースの進学実績は、国公立35%、早慶上智理大23%であり、5人に3人が難関大学に合格している。

 続いて、3人の担任による「現場の取り組み」についてと、「来年度入試」についての説明があり、終了しました。

私の感想

 説明会は熱気を感じました。東大合格者を出して進学校としての基盤を築き上げたい、との思いが学校全体にみなぎっていました。来年こそ、の強い意志を感じます。2005年にスーパー特進(東大)コースをつくったことで、学校経営の舵を進学校へと大きく転換したと言えるでしょう。生徒の総合力も年々高く伸びていて、これからの期待が大きくふくらみます。

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