上野学園中学校・高等学校 東京都 共学校

▲学校ホームページ(クリックで表示)

 はじめに、理事長の挨拶がありました。

  • 本校は今年、創立して105年になる。建学の精神は「自覚」である。2007年、男女共学化とともに、この新校舎が完成した。
  • 男女共学化に移行を始めて3年目の今年、全ての学年が男女共学となった。
  • 本校は中高一貫教育を行う。中学には普通コースと音楽コースがあり、普通コースは高校からさらに特別進学コースと総合進学コースに分かれていく。音楽コースは高校から演奏家コースと器楽・声楽コースに分かれる。
  • 音楽コースは、全国でも数少ない中学校から音楽を専門的に学ぶことができ、中学・高校・大学の10年間一貫教育を導入している。音楽を通して、情感豊かな人間形成を目ざす。
  • 普通コースでは、「総合的な学習の時間」に、フルート・クラリネット・サックス・トランペット・ガンバ・リコーダーの中から1つの楽器を選び、アンサンブルが奏でられるように学ぶ。音楽教育の伝統がある本校ならではの取り組みである。こうして、美しく調和のとれた豊かな人間性を育んでいく。

 続いて、「上野学園の教育について」と題し、副校長から説明がありました。

  • 音楽コースは、日本ではじめて高校に音楽科を設置した伝統をもつ(1949年)。最高の環境が整っている。徹底した個人授業で感性や技能を伸ばしていく。
  • 中学の普通コースは、基礎学力の定着に重点をおく。自学自習の習慣づくりをして6年間学び続けられる基礎をつくる。そのうえで、一人ひとりと向き合い、第1志望の大学合格を目ざしていく。
  • 本校は「少人数教育」が特色である。きめ細かく、目が行き届いた指導を行っている。授業も工夫をしている。「生徒による授業評価」を実施している。教員は、生徒にわかりやすい授業を工夫するようになる。そのほか、「朝学習」がある。始業前の10分間、漢字・計算・英単語の学習を行い、1時限目から授業に集中できるようにしている。「特別講習」の時間がある。基礎の充実や、より高いレベルを目ざす生徒を対象に、週1回、放課後実施している。また、職員室前の自習室を開放しているので、自習に使ったり、教員にいつでも相談できる個別フォローの体制が整っている。
  • 自学自習の徹底だが、課題を毎日与えることで、自分から学ぶ姿勢を習慣づけさせる。短時間でも毎日継続することが大事だ。
  • ちょっと変わったところでは、国立科学博物館とスクールパートナーシップ校として連携し、活動している。

私の感想

 終了後、授業を見学しました。楽しそうな声がする教室へ行くと英会話の授業でした。机を寄せ合って4人ずつのチームが5〜6つできていて、机上にはイラストが描かれたカードが並べられています。生徒たちはイラストを見つめて、ネイティブや日本人教員が発する英語に聞き耳を立てています。教員の発声があると、生徒は競ってカードに手を伸ばします。まさにカルタ取りのイメージです。こうしてヒアリングが楽しく学べるようです。拾い終わったら、イラストをもとに発音練習が続いていきました。ここでは、”楽しく競わせる”ことが授業のポイントですね。
 今年の上野学園は、生徒も教員も大幅に増えて、校内に一層活気が出ているように感じます。副校長の説明にあった新たな挑戦の体制が整ったと言えそうです。高校に特別進学コースと総合進学コースができて最初の卒業生が出る来年の合格実績が楽しみです。エレベーター脇の掲示板には、英単語テストの上位者名が張り出されていました。

(c)安田教育研究所 無断複製、転載を禁ず