塾対象説明会訪問記
 
日本橋女学館中学校・高等学校 東京都 女子校
▲学校ホームページ(クリックで表示)
現在、新校舎を建築中のため、会場は日本橋公会堂でした。

はじめに、学校長・服部一枝先生から挨拶がありました。

・2年前に進学校への新たな歩みをスタートし、「難関大学進学クラス」を新設した。おかげで、学校全体の学力がアップしてきている。今年度は「にほんばし、にほんだて」をキャッチコピーに据え、知性の教育と心の教育の2本立てで教育の充実をはかっていく。

・今年、103周年を迎えた。建学の精神は「質実穏健」。自立して社会で活躍する女性を育てたい。先日、来校した保護者の方から「穏やかな学校ですね」と言われた。学校全体のホワーッとした空気を感じとったのでしょう。穏やかで、心のやさしい生徒を育成したいという本校の人間教育に自信を持った。

・もう1つの知性の教育では、チューター制度を導入して具体的な進学目標を掲げた。また、独自のキャリア教育「にほんばし学」を導入して、自ら進路を切り拓いていけるよう進路目標も掲げた。

・来年の夏、新校舎が完成する。21世紀は女性の世紀とも言われる。学力と生きる力をしっかり育成する学校としてふさわしい校舎を建設する。

次に、中学6ヵ年・高校3ヵ年の指導について、進路指導部長・内田喜巳男先生から説明がありました。

・ 保護者の皆さんにアンケートをとったところ、意外にも、4年制大学に進学させたいという結果が出て、反省した。もっとしっかりしたカリキュラムを構築しよう、教員によるプロジェクトチームを立ち上げよう、そして、進学目標を決め、その研究をしよう……こうして、クラス構成・授業形態を検討していった結果、「難関大学進学クラス」を新設することにつながった。

・目ざす難関大学とは、早稲田・上智・東京理科大やG−MARCH などである。慶応はない。その理由は、慶応には小論文がある。本校ではまだ小論文指導を確実に行える段階にないと判断して、慶応をはずすことにした。なお、「難関大学進学クラス」のクラス替えは行わない。

・他に、「進学クラス」がある。G−MARCH や有名4 年制大学・女子大学への進学を目標としている。

・高校には、「スペシャリスト養成コース」もある。スポーツ系列と演劇研究系列の2つ。

・最近、受け身の生徒が増えている。そこで、受け身を打破するような授業を模索した結果、「参加型学習」を実践している。日々の授業の取り組みの中で、表現力・思考力・理解力を育成したい。生徒が能動的に考えるようになり、自分で自分の進路を開拓していけるようになるのがネライだ。

・中学生には、1日の学習サイクルを定着させる。朝学習→授業→チューターによる放課後学習→家庭学習をうまく定着させたい。

・「難関大学進学クラス」では、検定外の教科書を使って「先取り学習」を実施。英語はZ会出版の「TREASURE」、数学は学習研究社の「精解数学」を導入している。

次に「にほんばし学」について、生活指導部長・齋藤友季子先生から説明がありました。

・本校独自のもの。社会に出てから必要とされる力(コミュニケーション能力・問題解決能力・チャレンジ精神など)を育成していく。

日本橋女学館は地域で唯一の私立女子校だそうで、ロングホームルームの時間を使い、地域企業の協力を得て取り組んでいるとか。

<私の感想>

日本橋女学館も難関大学への進学について力を入れていますが、こうしてみると、これまで訪れた学校を振り返って本当に多いことに気づきます。訪問した17校のうち、1校を除いてほぼ全ての学校が難関大学への進学率向上を目標にしていました。学校は常に、生徒・保護者・社会のニーズを汲み取っていかなければならないわけで、必然的に難関大学への進学指導強化につながっているのでしょうね。それは、女子校・男子校・共学校・付属校・ミッション校問わずです。
女子校が進む今後の方向については、この(1)難関大学進学指導強化と、(2)理系進学へ力点、(3)社会に貢献できる女子の育成 この3 つが大きく浮上してきているように感じます。


校名リスト前に戻る次に進む

(c)安田教育研究所 無断複製、転載を禁ず