ここ2、3年の中学受験の様相はかつてと大きく異なっています。それは、短い言葉で表現するならば、中学受験の世界に「入ってくる時期、入ってくるかたちが驚くほど多様になり、また出て行き方も様々である」ということです。 お受験に失敗して小学校入学前から中学受験を意識して手を打つ家庭もあれば、小6の夏に友だちが夏期講習に行くのを見て、わが子が受験したいと言い出したという「駆け込み受験」の家庭もあります。 出て行き方にしても、受験本番までたどりつかず途中で断念、いわば「中退」という例も(子どもが疲れ果てたというケースもあれば、当初思い描いていた学校は無理そうだから高校でリベンジするというケースも)。「卒業」にしても第一志望一発合格から「全滅組」まで、子ども一人ひとりがそれぞれ違った道を歩みます。 受験生活そのものも決してスムーズに運ぶものではありません。途中何度も「そんなに勉強したくないなら受験なんかしなくていい!」と怒鳴る日があるはずです。また「この子は受験には向かないのではないか」と思い悩むことも。こんなにもかかるのと、財布との相談が必要になることも。 こうした山あり谷ありの日々を何度も繰り返しながら入試当日を迎えるわけです。この本が、これから受験に歩みだすお母さんの心の支えになることを願っています。